雛の家  中村日出子著

hinanoie
ふらんす堂
2012年1月11日発行

俳句との出会いによって、
日出子さんの豊かな人生経験や興味や文学意識が、
一挙に花開き結晶した。
彼女の季題発想は自在に時空を超越する。
俳句はつくづく体験がものを言う文芸であることを思わせる、
滋味あふれる作品集。
西村和子 (帯文より)

身綺麗にありたし老いの初鏡
出張の父の鞄の山葵漬
あんぱんの臍にありけり春の色
風の色光の色の新茶かな
水馬跳ばざれば水古りにけり
吾を撃つ飛行士が見え夏真昼
朝顔のひしやげてこぼす雨雫
秋まつり綿菓子といふ空気買ふ
思ひきや夫なき家の虫の夜
柚子湯して仏のごとき母洗ふ (自選10句)

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