今と決め  阿部川翔著

imatokime
ふらんす堂
2014年10月28日発行

熱燗や女盛りを今と決め

この一句に翔さんの心意気と潔い決断力がこめられている。
句集出版は、その「今」の記念だ。
今を大切に見のがさず、聞きのがさずに把えた人生のひと齣ひと齣は、
私たちの五感を大いに刺激してくれる。
西村和子(帯文より)

春昼のハーレムの辻乾きたる
草を刈る瞳の濃くて蜥蜴追ふ
生ビール星占ひを信じてる
かき氷ブルーハワイといふブルー
無表情くづれて涙心太
八月の島影ふつと消えにけり
十六夜や父の部屋その日々のまま
麦秋やふたりでひとつ旅鞄
女にも遊び心や日脚伸ぶ
永き日の二月堂より暮れにけり
(自選十句)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です