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行方克巳著『漂流記』
2009/2刊行

若き日の俳句と、俳人論を収録

俳句に出会うまでの瑞々しい青春の航跡。
俳人・行方克己のあらゆる萌芽を宿している
若き日の作品をすべて収録。
同時収録の中村草田男・西東三鬼・橋本多佳子・森澄雄・西村和子論は、
それぞれの作家像に肉迫する渾身の俳人論である。

●目次より
瑕瑾集
灰汁の花
汗駄句駄句
I 慶大俳句以後
II 『無言劇』
蒟蒻問答集
草田男諄々
三鬼燦々
多佳子津々
澄雄沈々
胸の高さに―西村和子の俳句

西村和子著
『俳句のすすめ ー 若き母たちへ ー』
2008/8刊行

女の一生の中で最も輝かしく、ドラマに満ちた子育ての日々。時には育児日記として、時には心の記録として、17字の季節詩に刻む楽しさを、若い母たちにも味わって欲しいと願う著者の実践的俳句入門。

西村和子著『季語で読む源氏物語』
2007/9刊行

源氏物語は季節すなわち春秋の物語であると言えよう。物語の筋を縦糸とするならば、季節描写は横糸となって背景を織り成している。それが出来事に豊かな彩りと深い奥行きとを与え、季節の風や雨や雪が、人々の心のうちを象徴することにもなる。ここに鏤められた季節の言葉に、のちの俳諧の季題、現代の俳句の季語の源を見る思いがする。 --季語という視点から源氏物語を読み解いた本邦初の画期的内容 。

目次

初音―六条院の新春
花紅葉―初恋の人
雪明り―凍る思い
汀の氷―ひき離された母娘
毛皮―末摘花は石長姫
紅梅―知る人ぞ知る
垂氷―雪の中の逢瀬
若菜―緑の生命力
沫雪―閉め出された源氏
深山の桜―走り出てきた美少女〔ほか〕

行方克巳・西村和子共著『秀句散策』
2007/6刊行

◆ 俳句入門書
選は創作なり・・虚子
「知音」一10年間の秀句をあたたかく丁寧に解説。実作を志し、更なる俳句の上達を望む人へ向けた魅力溢れる入門書。 季題別索引付

ここにはおのずから私たちの俳句観が語られている。毎月寄せられた各自の自信作の中から、秀句と認めた作品を丁寧に鑑賞することで、私たちの目指すべき俳句を説くよう努めた。私たちが考えている秀句の具体例がここに集められたと言ってもいい。作者は言うまでもなく、これから俳句を学ぼうとする仲間たちも、ここに取り上げられた作品を道しるべとして、歩んで行っていただきたい。(あとがきより)

母が待つ小さき駅の秋日和
胸のすく音の駆け抜け競べ馬

西村和子第四句集『心音』
2006/5/23刊行
(第46回俳人協会賞受賞)

第3句集以後、約10年間の作品400句を収めた第4句集。
紙風船息吹き入れてかへしやる
黒谷の松吹く雪となりにけり
水よりもつめたき蜆洗ひけり
囀のひと色にしてはなやげる
水音と虫の音と我が心音と

~あとがきより~
第3句集の後の10年間の作品から400句を収めた。
この10年の間に2人の息子が巣立ってゆき、父が逝き、33年間師事した清崎敏郎先生が亡くなった。行方克巳さんと共に「知音」を創刊し、14年間暮らした関西を離れ東京での生活が始まった。
様々なことがあった10年だったが、その時その時をもっとも鮮明に思い出させてくれるのが俳句だ。どれにも愛着があるが、

水音と虫の音と我が心音と

の一語をもって句集名とした。私にとって俳句とは、心音のようなものかも知れないと思うからである。
句稿をまとめた後、33年の春秋を共にした夫が他界した。私の人生のひとつの季節が終わってしまったことを実感している。

 

西村和子著『添削で俳句入門』
2006/1/25刊行

添削に学ぶ俳句づくり
上達のコツを大公開!

俳句に興味を持ち、俳句を作ったこともあるが、もっとよい作品にしたい。そんな俳句好きに贈る入門書。豊かな日本語を身につけよう、最初に感じたことを大切に、無駄を省く……など、よい作品を作る21のコツを、ベテランの俳人が実際の添削例をもとにやさしく解説する。

行方克巳・西村和子共著
『名句鑑賞読本 茜の巻』
2005/6刊行

俳句の実作と鑑賞とは表裏一体のもの。名句鑑賞を通して俳句の楽しさを説く。
正岡子規から石田波郷まで、著名俳人25名の代表句を個性的な二人の俳人が自在に鑑賞。豊かな実作体験をふまえて多様な読みの可能性を秘める名句の真髄に迫る。知られざる俳人の境涯も俳句読解の魅力である。

西村和子著『虚子の京都』
2004/10刊行
(第19回俳人教会評論賞)

「虚子は18歳で京都に遊学以来、終生、京都を愛し、小説「風流懺法」をはじめ、随筆、紀行文を残した。祇園から比叡山まで、著者は20年がかりで虚子の作品の現場と人間模様を追跡し、そこで繰り広げられたドラマを再現する。虚子研究に新生面を開く意欲作。」

行方克巳第四句集『祭』
2004/6/2刊/行
角川書店

雲走る走る雲雀のこゑ散華
濤声もみどりなすなり鑑真忌
秋風に後れ先立つほどのこと
つはるてふこと怠らず冬桜
城を盗らずをみなをとらす花の雨
祭浴衣老獪にして汗かかず
椎の実や見えざる轍われを轢く
千秋といふはいちにち落葉踏む
海鳴るぞ山鳴るぞ春ゆくなべに
武者ねぶた瞋恚も恋も真つ赤ぞよ

~あとがきより~
平成13年4月から1年間の休暇を得て京都を中心に多くの祭りを見て廻った。いきおい本書の内容として祭の句が多いことから句集名は躊躇なく「祭」とした。
書家の津金孝邦さんからその「祭」の一字をいただいたことは、大いなる知音を得た思いであり、これにまさる喜びはない。
本句集が成るにあたって、さきの自注句集に引き続きて「樹の会」の仲間の全面的なバックアップを受けた。
また、角川学芸出版のスタッフのみなさんには短期間に集中して行程を進めていただいた。ここに記して感謝したい。