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筋肉の色でありけり曼珠沙華  矢羽野沙衣

群れ咲いている曼珠沙華ではなく、その一茎に開いたばかりの花を凝視した作者の目がある。その華を見つめた作者はいわゆる曼珠沙華という総体的な印象とは違うインプレッションを受けたのである。「筋肉の色」とは今まで私が経験したことのない曼珠沙華の細見であった。沙衣さんのきわめて独自性のある感覚表現をうべなうばかりである。
「知音 平成29年12月号 紅茶の後で」より