作成者: chiin_kongetsu

夜の秋のナースコールをためらひぬ
田中優美子

「知音」2023年12月号　窓下集　より

飲み屋横丁正午を待たずして溽暑
藤田銀子

「知音」2023年11月号　知音集　より

聞き役に徹して崩す冷奴
鴨下千尋

「知音」2023年10月号　窓下集　より

◆令和6年4月6日（土）梟の会の参加者の一句◆

船室の眠りの深し春の波
佐野すずめ

春の夜や女車掌の声若く
布川礼美

釣人の腰まで浸かる遅日かな
青木あき子

東京に我まぎれゆく桜かな
稲畑実可子

春の夜や流れて止まるペンの音
杉谷香奈子

うさぎの眼くるくる動き水温む
松枝真理子

夜桜や水のおもてのほのあかり
井出野浩貴

白靴や街に植民地の名残
小林月子

「知音」2023年11月号　窓下集　より

蟬時雨頭の中のいま空つぽ
上野文子

「知音」2023年11月号　窓下集　より

家までの十歩が遠し油照
前田沙羅

「知音」2023年11月号　窓下集　より

抽斗の香水ひとつ捨てられず
林奈津子

「知音」2023年10月号　知音集　より

引きだしに未練がましき海水着
小澤妙子

「知音」2023年10月号　知音集　より

波待つて待つてサーファー老いにけり
小池博美

「知音」2023年10月号　知音集　より