秋の蚊の羽音や何に突き当たり 行方 克巳
「晩緑」(朔出版・令和1年刊)より
客観写生にそれぞれの個性を
「晩緑」(朔出版・令和1年刊)より
「心音」(角川書店・平成18年刊)より
「青龍」(ふらんす堂・2018年刊)より
「驢馬つれて」(ふらんす堂・2014年刊)より
「夏帽子」(牧羊社・昭和58年刊)より
「晩緑」(朔出版・令和1年刊)より
「夏帽子」(牧羊社・昭和58年刊)より
群れ咲いている曼珠沙華ではなく、その一茎に開いたばかりの花を凝視した作者の目がある。その華を見つめた作者はいわゆる曼珠沙華という総体的な印象とは違うインプレッションを受けたのである。「筋肉の色」とは今まで私が経験したことのない曼珠沙華の細見であった。沙衣さんのきわめて独自性のある感覚表現をうべなうばかりである。
「知音 平成29年12月号 紅茶の後で」より
すっかり乾いた真白なシーツ。見ると赤とんぼが止まっている。シーツを取り込もうとするとツイと飛び立つが、またすぐに戻ってきてまた同じシーツに止まるのだ。
「知音 平成29年12月号 紅茶の後で」より
作者は夫君の海外転勤に従って日本を後にしたと聞く。だから、「家を去る」ということは、ただの引越しではないわけで、濃い藍色に咲いているこの朝顔は、まさに惜別の象徴というべき花なのである。
「知音 平成29年11月号 紅茶の後で」より