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知音代表 行方克巳が、この度、第九句集「肥後守」を上梓しました。

行方克巳 第九句集
『肥後守』
2024/6/2刊行
深夜叢書社
炎昼の音叉のごとくすれ違ふ

明滅する生と死のつらなりに目を凝らし、
犀利な感性と諧謔の精神で掬われた245句ーー
ポエジーと洞察が交錯する瞠目の第九句集。

 

◆「あとがき」より

私にとって俳句とは、「季題発想による一行のものがたり」と考えるようになった。
ずいぶん前から、「深夜叢書」から句集を出すことを決めていたのだが、齋籐愼爾が亡くなってから出版するとは思ってもみなかった。句集の中に、彼を悼む句があるなんて、なんともさびしい限りである。
八十路人になった今、この十年で何が出来るだろうかなどと考え込んでしまう。
いわゆる終活の一として、『行方克巳季寄せ』を作ったが、あとどれほどの存念を残せるか―。
『肥後守』は、『晩緑』につぐ私の第九句集になる。題名は、

  肥後守蛇の匂ひのこびりつき

からとった。私の裡なる「少年A」の物語である。