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巫 依子句集
『青き薔薇』
2020/9/26刊行
ふらんす堂

◆第一句集[かんなぎよりこ(1972〜)「知音」同人]
帯:西村和子
序に代えて:行方克巳
装画:渡利章香
装丁:和兎
四六判並製小口折表紙
232頁

好きで移り住んだ
尾道ぐらしが定着したことを、
愛着をこめた句の数々が
語っている。

情熱のおもむくままに
生きてきた作者が、
大切に培って花咲かせた
風変わりな青い薔薇は、
俳句そのものにほかならない。
(帯・西村和子

◆西村和子抄出十句
待たれゐて春の靴音ファソラシド
傀儡女の血脈をふと秋の雲
落葉踏むただ踏むふはと軽くなる
冷蔵庫母の脳内垣間見し
蜜柑送る身内に詫びることばかり
波音に寝て波音に明易し
秋灯のひとつは島へ帰る船
江の奥の家に眠りて霜の声
年の夜にする話でもなけれども
カーテンの開かれぬまま花火の夜