佐瀬はま代句集
『一日』(いちじつ)
2020/3/26刊行
ふらんす堂
◆第一句集[させはまよ(1954〜)]
序:西村和子
題簽:佐瀬康志
装画:佐瀬浩史
挿画:大塚友佳子
装丁:和兎
四六判フレキシブルバックカバー装
198頁
少年は一塊の熱七月来
十年一日の如し、と言うがはま代さんにとっての十年は
さまざまなことを経験し、学び
風のように走り抜けた歳月だった
これからの十年は
ゆっくりと自分の一歩一歩を確かめながら
はま代さんらしい表現を身につけてゆく、
そういう時代になってゆくだろう
(帯・行方克巳)
◆自選十句
白シャツの一群に夫見失ふ
まつ青な空へ捨てたる榠樝の実
老鶯の声みづうみを辷り来る
流氷や旅のベッドの軋みたる
木の実踏むわざと踏む悉く踏む
雪といふことばを教ふ抱きあげて
フリージア光のごとき水に挿し
首手首心もとなし走り梅雨
物乞ひの少女膝抱く片かげり
蝶ふつと消えて背高泡立草