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江口井子句集『海渡る蝶』
2014/1/15刊行

東西古今の文芸に心を遊ばせ、
旅に料理にお洒落に五感を磨き、
常に仲間の先頭切って歩む素敵な女性。
外界への視野はさらに幅広く、
内面への凝視はいよいよ深く、
第三句集に至って人生の本音があかされた。
俳句の恩寵もさることながら、
真の贅沢とは何かを教えられる句集。
西村和子(帯文より)

パイ焼かん卓の林檎のよく匂ひ
海渡る蝶のごとくに真葛原
蜆舟二葉泛べて嫁が島
耕人に尋ね神魂の社みち
朝焼のユングフラウをわが窓辺
ひとり居の少し紅濃く初鏡
盲ひゆくごとく虫の音細りゆく
教へ子も今はともがら初句会
秋深し男女の機微に疎けれど
レースまとふ今ひとたびの贅もがな
(西村和子 選)