知音 2025年3月号を更新しました
百間廊下 西村和子 底冷や百間廊下磨きたて 百間廊下寒行僧の素手素足 寒行の声百間を貫きぬ 寒行や心の迷ひ筆に出て 来たるべき喜寿の諸手に破魔矢受く 押し切れば歯軋り返す冬菜かな 潜みゐし時は何色龍の玉 密なるを以つて ... "知音 2025年3月号を更新しました" を続けて読む
知音 2025年2月号を更新しました
初日記 西村和子 我が地平見えてきたりし初日記 東京の目覚眼下に初仕事 庭燎の名残へ小雨初社 塊つちくれを破らぬ雨の初社 水際まで自づからなる敷松葉 かくも舞ひ上ることあり銀杏散る 仕立屋の間口一間夜も落葉 靴音の吸ひ ... "知音 2025年2月号を更新しました" を続けて読む
知音 2025年1月号を更新しました
枯 園 西村和子 落葉掃く音止まりたり築地塀 拝観謝絶でもなく障子閉ざしあり 枯れきりし香のそこはかと藤袴 綿虫や昼も闇抱く矢倉墓 吹き残り名札もらへぬ野菊 枯れてなほかりがね草は空を恋ふ 枯れざまもゆかしかりけり乱れ ... "知音 2025年1月号を更新しました" を続けて読む
知音 2024年12月号を更新しました
草の花 行方克巳 朝な朝な凝りたる血か七竈 櫨紅葉真つ赤な嘘であつてもいい もう誰も待たぬ桟橋雪螢 堕ちてゆく堕ちてゆくよと雪螢 蝦夷富士にかめむしが貼りついてゐる 露芝を踏んでカインの裔ならず タケオでもアキコでもな ... "知音 2024年12月号を更新しました" を続けて読む
知音 2024年11月号を更新しました
どんぐり 行方克巳 終活の一日どんぐり拾ふなり 九月の机上終活どころではないぞ どんぐりに打たれて馬の瞬しばたたく どんぐり降り止まずよ人の子を抱けば 梨剝いてくるるばかりのひとでいい 柔能く剛を制すてふこと秋の風 狐 ... "知音 2024年11月号を更新しました" を続けて読む