平生  石本せつ子 著

heisei
ふらんす堂
2010年11月7日発行

平生』には、夫君の病気に心を砕き、誠心誠意看病につとめる
妻としてのせつ子さんがいる。
また、自分のいまを静かに見つめる一人の女性がいる。
海外をはじめ吟行旅行の日々も、せつ子さんの人生の一齣一齣である。
そんな普段の生活が、明るいタッチで描かれている。
平生の中にこそ詩があるというべきだとう。
行方克巳 (帯文より)

ムーミンの顔して眠り春の河馬
日焼せるモンタンに似し運転手
吾ながら素直な顔の初写真
秋澄むや心が毀れさうなとき
黙々とロングシュートを卒業子
噴水の鉄の河童の踊り出し
ひと雨の過ぎて虫の音入れ替り
滞るものそのままに冬の水
悪妻も磨きかかりぬ初鏡
春宵のカサブランカよボガードよ(行方克巳 選)

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