芽吹  馬場繭子 著

mebuki
ふらんす堂
2010年9月28日発行

屈託のない無邪気な第一句集は、
俳句が幸福の文芸であることを思い出させてくれる。
美しいもの、美味なるもの、気に入りのものに囲まれて俳句を楽しむ姿は、
読む者の心をも明るく満たしてくれるだろう。
西村和子 (帯文より)

春燈や巴里の寵児の絵の暗く
一掻きの青海亀の涼しさよ
咲き初めて小心ならず冬の薔薇
にごりなき血の色のとんぼうに遇ふ
ためいきも華やぎにけり投扇興
初句会西洋畏るるに足らず
そら豆の莢にムーアの括れかな
父の日や彼のライバル今も父
初雪の予感ぴりつと唇に
寒紅や後の心を引き締めむ(自選10句)

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